ますと、さっそくその問題が相談にかけられたが、ほとんど原案通り決定された。ただ原案になかったことで、こちらの塾生代表と進行係とをだれにするかが問題になり、進行係のほうはすぐ次郎にたのむことにきまったが、塾生代表については、いろいろの意見が出た。室長の互選《ごせん》という意見も出たのでそれに落ちつけば一番合理的なはずだったが、それには室長の多数がふしぎに賛成しなかった。そして結局、青山敬太郎の発言で大河を推《お》し、それがほとんど全部の塾生に拍手《はくしゅ》をもって迎《むか》えられたのであった。
 その晩、自分の室に帰った次郎の気持ちには、ふしぎな変化がおこっていた。かれは机の引き出しの奥《おく》深くしまいこんでいた道江の手紙を取り出して、もう一度しずかに読みかえした。そして読み終わると、すぐ二通の手紙を書いた。一通は道江あて、もう一通は恭一あてだった。恭一あてのには、
「道江からこんな手紙が来たが、僕《ぼく》には返事のしようがない。すべては君の責任において解決してもらいたい。」
 とだけ書いて、道江の手紙を同封《どうふう》した。道江あてのもきわめて簡単だった。
「お手紙拝見。ご胸中同情
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