プログラムがおできになりますわ。」
それから、何か思い入ったように、
「あたし、その日は、お役にたつことでしたら、どんなことでもいたしたいと思っていますの。」
次郎はそのしみじみとした調子が変に気になりながら、コーヒーをすすった。
大河と次郎とは、それから間もなく本館にかえり、さっそくプログラムをねりはじめた。次郎が大河と二人きりでながい時間話すのは、しばらくぶりだった。かれの気持ちは変に落ちつかなかった。威圧《いあつ》されるような気持ちと、よりかかりたいような気持ちとがたえず交錯《こうさく》していたのである。しかし、一方では、かれのこのごろの暗い混迷した気持ちが、新しい問題を投げかけられたせいもあって、少しずつうすらいでいくかのようであった。
プログラムを組むのに、二人が最も重要だと思ったのは、意見交換の時間をできるだけながくするように、という先方の申し入れに、どう応ずるかということであった。先方の肚《はら》が、それによって激論《げきろん》をまきおこし、日本精神とか時局とかの名において、こちらを窮地《きゅうち》に追いこみ、あわよくば重大な失言をさせようとしていることは明らかで
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