じゃないかな。どうだい、大河君。」
「ええ、結構だと思います。」
 それまで眼をつぶって二人の話をきいていた大河は、無造作にそうこたえると、またすぐ眼をつぶった。
「本田君も、いいねえ。」
「ええ、わかりました。」
 次郎の意識の中には、やにわに大河の存在が大きく浮《う》かんでいた。かれは朝倉先生に説き伏《ふ》せられたというよりは、大河の無造作な答えに説き伏せられたといったほうが適当であった。
「じゃあ、プログラムを二人で相談して組んでみてくれたまえ。こまかなことはどうでもいいんだ。どうせみんなにも相談してきめることなんだから、こまかなことは、その折にきめることにして、動かせない大筋《おおすじ》だけを考えておいてもらいたいね。かんじんなのは、ここの生活の空気をこわさないことだよ。できればお客さんをこちらの空気にまきこんでしまいたいのだが、そこまではちょっとむずかしいな。とにかく、そこいらがうまくいきさえすれば、あとは、どうでもいいんだ。」
「大変ね。」
 と、その時、火鉢《ひばち》のはたでみんなのためにコーヒーをいれていた朝倉夫人が言った。
「でも、お二人でお考えくだされば、きっといい
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