、お力をおかしください。私は何もめんどうなことをお願いするつもりはありません。ただその方のお名前とお所を知るだけで結構です。次郎さんなら、あるいはもう何もかもご存じでしょうとも思いますが、もしそうでしたら、すぐにもご返事をください。もしまだご存じなければ、恭一さんにおたずねになるなり何なりして、できるだけ早くお知らせください。私から直接恭一さんにおたずねしたらいいではないか、とお考えになるかもしれませんが、それは、今のところ私にはとてもできないことなのです。私がこの後恭一さんにお手紙を差しあげるのは、私を思っていてくださるというお友だちの方に、すっかり私のことを思いきっていただいたあとのことにいたしたいと存じております。このこともお心にとめていただいて、ぜひ今度だけはご返事をお願いいたします。自分のことだけを書きつらねて、ほんとに相すみませんでした。今の私の気持ちをお察しくだすって、どうかお許しください。」
それで手紙は一たん終わったが、宛名《あてな》のあとにさらにつぎの三行ほどが書きそえてあった。
「東京には大変なさわぎが起こっているそうですが、朝倉先生をはじめ皆《みな》さんさぞご
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