頭のきりかえができていないからだ、それには青年の指導者に大きな責任がある、とかいって、大変、息まいていられそうです。」
「なるほど。それで、そういうことをまずここの理事長と話し合おうというのですね。」
「荒田さんの電話では、ここの理事長のほかに、小関君が相談にのるらしいのです。」
小関というのは、古い文部|官僚《かんりょう》で、こちこちの国家主義者としてその名が通っており、在官中から「興国青年塾」という私塾を腹心《ふくしん》の教育家に経営させ、退官後は、自らその指導の中心になっている人であった。友愛塾に対しては、その創設当時から好感をもっていない一人だった。人物は、正直そうに見えて策《さく》があり、それに神経質なところもあって、気にくわないことがあると、いつまでも陰気《いんき》に押しだまっているといったふうであった。したがって、友愛塾の関係者は、これまでなるべくその人との接触《せっしょく》をさけるようにして来ていたのである。
「小関さんが?」
と、朝倉先生はかなりおどろいたらしく、
「理事長も、荒田さんと小関さんの二人を相手では、お骨が折れるでしょう。これは、ひょっとすると、全国的
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