《なんばいめ》かのお代わりを朝倉夫人によそってもらいながら、とうとう自分から笑いだして言った。
「だしぬけに飛びこんで来て、こんなに食べても、だいじょうぶですかね。」
「ええ、ええ、ご安心なすって。そのつもりで、こちらのお鉢《はち》にうんと入れておきましたから。ほほほ。」
「それはどうも。……しかし、今日はとくべつですよ。何しろ、暗いうちに茶ものまないでうちを飛び出して、やっと昼飯にありついたというわけですからね。」
田沼先生は、そう言って、もう一度大きく笑った。しかし、朝倉夫人はもう笑わなかった。笑いかけていた朝倉先生や小川先生の顔も、何かにつきあたったように固くなった。そうした顔を見くらべていた次郎の眼は、もう一度、田沼先生のほうに注がれたが、その時には、田沼先生も次郎のほうを見ていた。二人の眼はあってすぐはなれた。しかし、次郎には、何で田沼先生が自分のほうを見たかがわかるような気がした。
食事がすむと、いつもなら、各部から緊急な報告や、ちょっとした生活上の注意などをやり、そのあと五分か七分雑談をやってすごすことになっていたが、塾生たちは、田沼先生が食卓に顔を出すと、きまってそ
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