してもらうと、なるほどと思うね。」
「ぼく、これまで同じような題目の話をほうぼうできいたが、今日ほどぴんとこたえたことはないよ。内容に大したちがいはないがね。」
「やっぱり話す人の人柄《ひとがら》が大事なんだな。」
「そう言うと、ここに来る先生は、外来の先生でも、人柄に一派通ずるところがあるんじゃないかな。」
「うむ、どの先生もしみじみとしたところがあって、本気でぼくたちのことを考えていてくれるという気がするね。」
「ぼくは、はじめのうち、この塾の先生たちには、何だか活気がなくて物足りない気がしていたんだが、今から考えてみると、こちらが上《うわ》っ調子だったんだね。」
「それは、おそらく、君だけじゃないだろう。入塾式の日には、たいていの塾生が田沼先生や朝倉先生の話よりも、平木中佐の元気な話に感激《かんげき》したんだからね。」
「ははは。……しかし平木中佐だって、ふまじめではないだろう。あの人はあの人なりに、本気で日本の青年のことを考えているにちがいないよ。」
「それはそうかもしれない。しかし本気ぶりがちがうよ。自分の考えだけに夢中《むちゅう》になって、国民の地についた日常生活のことなん
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