、電話なんか通じなくなるようなことになるかもしれないがね。」
そう言われて、次郎はぎくりとしたが、しいて自分をおちつけながら、
「あぶないところに行くのはよせよ。こちらは、そう一刻を争って知らせてもらう必要はないんだから。」
「必要がないことなんかあるもんか。さっきも大沢君と話したことだが、状況次第では、塾は早く閉鎖《へいさ》したほうがいいかもしれんよ。ぐずぐずしているうちに、とんでもないことにならんとも限らんからね。」
「塾が? どうして?」
「どうしてって、友愛塾は自由主義精神の砦《とりで》なんだろう。第一番に砲撃《ほうげき》されるよ。」
恭一の言葉の調子には、じょうだんめいたところがあった。次郎は、しかし、それを全くのじょうだんだとして受け取る余裕《よゆう》がなかった。かれの眼には、もう荒田老《あらたろう》や平木|中佐《ちゅうさ》の顔がちらつき、二人と東京の異変とが無関係なものとは考えられなかったのである。
かれは、電話をきると、すぐ塾長室に飛んで行って、きいたままを朝倉先生に報告した。朝倉先生も、さすがに愕然《がくぜん》として、しばらくは口をきかなかったが、
「とうとうそ
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