。」
「僕《ぼく》がきいたのは、右翼《うよく》団体に関係のある学生からだがね。」
「ふうん。もしそれが事実だとすると、いよいよ大変だね。」
「しかし、それは、僕は信じない。農村にそれほどの組織があろうとは思えないからね。」
「うむ、今のところはね。しかし、将来はわからんよ。事件の成り行き次第《しだい》では。……それで交通機関はどうなんだい。」
「ごく一部に遮断《しゃだん》されているところもあるようだが、大体は市内電車も平常通り動いている。」
「新聞や、ラジオは?」
「あっ、そうそう。何でも朝日新聞が襲撃《しゅうげき》されたという話だ。しかし、今朝はあたりまえに出ているんだから、変だよ。もっとも、事件については、まだ何も書いてないし、かりに襲撃されたとしても、そのまえに刷ったものかもしれない。……ラジオはだいじょうぶらしい。今朝は予定のプログラム通りだ。そちらでもきこえるんだろう。」
「今日はまだきいていないが……」
「そうか。しかし、これから状況《じょうきょう》は刻々変わるだろう。ぼくは今から大沢君と二人で様子を見に行こうと思っている。何かわかったら、またすぐ電話で知らせるよ。もっとも
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