の正午ごろからふり出した雪は、まだやんでいなかった。やむどころか、朝のラジオは、近年まれな新記録を出すかもしれないとさえ報じた。寒さもことのほかきびしかった。そのために、昨夜までは外出を計画していた塾生たちも、一人残らずそれを断念し、めずらしくみんなそろって日曜の一日を塾内ですごすことになったのである。
次郎も、実をいうと、内々その日の外出を、計画していた一人だった。かれは「歎異抄」に親しんでいるうちに、しだいに自分のこれまでの虚偽にたえられなくなり、いっそ自分から恭一の下宿をたずね、思いきって何もかも打ちあけてしまいたい、という気になっていたのである。むろん、かれは、自分が外出することをだれにももらしてはいなかった。それをもらしたために、塾生たちに道案内をせがまれたりして、行動の自由を束縛《そくばく》されてはならないと思ったからである。しかし、いよいよその日になると、かれも結局外出を思いとまるよりしかたがなかった。むりに出ようとすれば出られないほどの深い雪には、まだなっていなかったが、塾生全部が思いとまっているのに、めったに外出したことのない自分が、しいてそんな日を選んで外出するか
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