ても、おそらくぼくの判断に誤まりはないだろうと思う。そこでつぎの問題は、何といっても道江の君に対して抱《いだ》いている気持ちいかんだが、これについては、今言ったようなきわめて薄弱《はくじゃく》な判断の材料があるだけで、ぼくには決定的なことは何も言えない。これは、むしろ、君自身で判断するほうが一番たしかではないかと思うのだ。――」
次郎は急に突《つ》っぱなされたような気がしながらも、やはり眼だけはつぎの文字を追っていた。
「こう言うと、君の今の心境では、ただ失望だけを感ずるかもしれない。もし道江の気持ちについての君の判断が、これまで通りで少しも変わらないとすると、それは無理のないことだし、またしかたのないことだ。しかし、君のその失望は、君にとって、まだ決して最後のものではない。いや、最後のものであらせてはならないのだ。橋のないところには橋をかけて進むという方法もあるのだから。……ぼくの考えるところでは、君の現在の悲観的判断がかりに当たっているとしても、道江が君以外のだれかを愛しているということがたしかでないかぎり、断念するにはまだ早い。というのは、道江が少なくとも君に対して友情を感じて
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