なりゃあしませんか。」
「あるいは、そういうことになるかもしれないね。極端《きょくたん》にいうと、十時起床ということになるかもしれない。」
「かりにそうなるとしたら、それでもいいんですか。」
「君自身はどう思う? 私の意見より、まず君自身の意見からききたいね。」
「ぼくは、むろん、いけないと思います。」
「君のまじめな常識がそれを許さないだろう。」
「そうです。」
「そうだとすると、みんながまごころをこめて常識をはたらかしさえすれば、落ちつくべきところに落ちつくんではないかね。」
「そうなればいいんですが、実際は、やはり、なるだけおそくということになりそうに思うんです。」
「その実際を、おたがいに鍛《きた》えあうのが、ここの生活だろう?」
「はあ。しかし、それには、先生のほうからもいくらかの強制を加えていただかないと――」
「やはり強制が必要だというのかね。それじゃあ話はまた逆もどりだ。」
朝倉先生は、手にもっていた塾生名簿を畳《たたみ》のうえになげだして、腕をくんだ。そして、かなりながいこと、眼をつぶってだまりこんでいたが、やがて眼をひらくと、ちょっと飯島のほうを見たあと、みんなの
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