とうけとって、頭をかいたものもあった。しかし、大多数は、それがあたりまえだ、といった顔をしている。とりわけ、飯島の顔にそれがはっきりあらわれていた。かれはいくらか抗議《こうぎ》するような口調で言った。
「ぼくは、中心のない社会なんて、まるで考えられないと思います。おたがいに協力することは、むろんたいせつですが、みんなが平等の立場でそれをやったんでは、どんな小さな社会でも、まとまりがつかなくなってしまうのではないでしょうか。」
「大事な問題だ。そういうことを理論と実生活の両面から、もっと深く掘《ほ》りさげて行くとおもしろいと思うね。平等という言葉なんかも、うかうかとは使えない言葉だし……しかし、そうした研究は、ゆっくり時間をかけてやることにして、とりあえず必要なことは、あすからの生活を具体的にどうやっていくかだ。まがりなりにもその生活計画がたたなくては、まるで動きがとれないのだから、さしあたり必要なことだけでも、きめておこうじゃないか。」
「そんなことは、先生のほうでびしびしきめていただくほうが、めんどうがなくていいんじゃありませんか。」
「めんどうがない? なるほどめんどうはないね。し
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