けてやるんだい。」
 次郎は妙に力んで言った。
「三人で仲よくなりゃあ、次郎ちゃんも、ここのうち嫌いではないんだろう。」
「うん。――もうお祖母さんなんか、へっちゃらだい。一人ぽっちにしてやらあ。」
 次郎はすっかり調子にのっていた。恭一には、しかし、次郎のそうした言葉が、あまり愉快でなかった。で、彼は、握っていた次郎の手をその胸の上で神経的にゆさぶりながら、言った。
「そんなこと言うの、よせよ。僕ら、ただ三人で仲よくすれはいいんだよ。」
 次郎は真暗《まっくら》な中で思わず眉根《まゆね》をよせ、五体をちぢめた。温い夜具をとおして、何か冷やりとするものが、彼の心臓のあたりに落ちて来たような感じだったのである。
 彼はしばらく自分の気持を始末しかねていた。むろん適当な言葉も見つからなかった。お座なりをいう気には一層なれなかった。
 と、だしぬけに、そして、ちょうど銀幕に暗い夜の場面が映し出されたかのように、襖がすうっと開いて、梯子段の下からさしているほのかな光線の中に、人影が浮いた。
 恭一も次郎も、一瞬《いっしゅん》息をつめて、その人影を凝視《ぎょうし》した。
 人影はせかせかと、しか
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