お芳が仏間から出て来たが、お祖母さんは、すぐ俊亮に言った。
「お芳さんまでが、わざわざついて行くにも及ぶまいよ。あたしは、次郎だけの方が、かえっていいと思うのだがね。」
お祖母さんは、べつに皮肉を言っているようなふうでもなかった。しかし、俊亮は、変に顔をゆがめながら、
「ええ――」
と生《なま》返事をして、しばらく眼をつぶっていたが、
「じゃあ、母さんはよすか。ねえ、次郎。」
次郎はちょっと失望したらしかった。が、すぐ、
「ええ。」
とすなおに答えて、
「すると、俊ちゃんは?」
「俊三は、行きたければ行ってもいいさ。」
「どうする? 俊ちゃん、母さんが行かなくても、行く?」
「ううん――」
俊三はあいまいに答えて、お芳を見た。すると、お祖母さんが、けげんそうに、
「俊三も行くことになっていたのかい。」
「ええ、実は、私は次郎だけのつもりだったんですが、次郎が俊三をさそったものですから。」
「次郎が? 俊三を? そうかね。」
お祖母さんは、まじまじと次郎を見て、何か考えるらしかった。
「だって、母さんも行くのに、俊ちゃん残るの、つまんないや。ねえ、俊ちゃん。」
俊三は赧《あ
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