うな、そしてまた楽しみなような、一種不思議な感じに包まれながら、いつの間にか、自分の家の前まで来ていた。
 門口をはいると、茶の間からきこえるかん高い話し声で、もうお浜の来ていることがわかった。
 お浜は次郎の姿を見ると、跳び上るように立って来て、彼を上り框にむかえた。お鶴も、はにかみながら、お浜のうしろに坐ってお辞俵をした。
 次郎は、しかし、さきほどからの感動から、まだ十分にはさめていなかった。彼は、何か不思議なものでも見るように、お浜を見、お鶴を見、そしてお祖母さんや、俊亮や、お芳や、俊三を見まわして、突っ立っていた。
「どうかなすったの?」
 とお浜が心配そうにたずねた。
「ううん、――」
 と、次郎はほとんど無意識に首をふった。それから、急に思い出したように、
「唯今。」
 と、みんなに挨拶して、そのまま、さっさと二階へ上って行った。
 お浜はうろたえた顔をして彼を見おくった。俊亮はちょっと厳めしい顔をした。お祖母さんはじろりとお浜とお芳の顔を見くらべた。お芳には、これといってとくべつの表情は見られなかった。そして、俊三とお鶴とは、不思議そうにみんなの顔を見まわした。
 次郎
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