にさわったんか。それじゃあ、やっぱり自分のためじゃないか。」
 次郎はちょっとまごついた。しかし、すぐ、一層|力《りき》んだ調子で言った。
「ちがいます。新入生みんなのためです。」
「うむ、新入生のために戦うつもりだったんだね。」
 次郎は、そう言われて、まだ何か言い足りない様な気がした。そしてちょっと考えてから、
「新入生のためばかりではありません。五年生は、ちっとも校長先生の教えを守ってないです。あんな五年生は、僕、学校のためにならないと思うんです。」
「ようし、わかった。」
 と、大沢は、次郎の肩に手をかけて、
「しっかりやってくれ。君は僕たちの仲間だ。しかし、ほんとうの仲間は少いぜ。だから、みんなが一本立ちのつもりでやるより、ないんだ。いいかい。」
 次郎は、あっけにとられたような顔をして、大沢を見つめた。
 大沢は、しかし、そう言ってしまうと、
「じゃあ、失敬。」
 と、二人にあいさつして、さっさと部屋を出て行った。恭一はすぐあとについて、階段をおりた。そして次郎が自分にかえって、急いで下におりた時には、大沢は、もう、門口を出ているところだった。
 大沢を見おくってから、二人
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