った浅黒い顔には、頬から顎にかけて一分ほどにのびた髯さえ、まばらに見える。どう見ても恭一の仲間らしくない。彼は、大沢が五年生でないことがわかって急に楽な気持になったが、同時に、何か滑稽なような気もした。
「みんなで僕を親爺って言うんだよ、わっはっはっ。」
 大沢は自分でそう言って、次郎を笑わした。次郎は、それですっかり彼に好感を覚えたらしく、坐りかたまで楽になった。
 三人はそれから、恭一が階下から持って来た煎餅をかじりながら、いろんな話をした。これといってまとまった話題もなかったが、三人とも少しも飽いた様子がなかった。学校の話もおりおり出た。しかし、次郎は、雨天体操場事件について、自分から話し出そうとは決してしなかった。
 おおかた一時間ほどもたったころ、とうとう大沢がたずねた。
「きのうは、どうだったい、雨天体操場では?」
 次郎は大沢には答えないで、恭一の方を見た。そして、
「恭ちゃん、何か聞いた?」
「うむ、きいたよ。もう学校ではみんな知ってるよ。」
「そうか。……だけど、うちじゃ誰もまだ知らんだろう。」
「そりゃあ、知らんだろう。」
「誰にも言わんでおいてくれよ。」
「どうし
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