二人は校門を出てからも、しきりに次郎のことを話しながら歩いた。
二人よりもちょっとまえに、次郎も帰って来ていた。彼はもう机について、日記か何かをしきりに書いていたが、恭一のあとから大沢がはいって来たのを見ると、思わずいやな顔をした。五年生にしても老《ふ》けている大沢の顔付や、その堂々たる体格が、恭一の同級生だとは、彼にはどうしても思えなかったのである。彼の頭には、すぐ雨天体操場の光景が浮かんで来た。山犬や、狐や、三つボタンの仲間ではあるまいか。そう思うと、恭一がそんな生徒をつれて来たのが、腹立たしい気がした。彼は、しかし、仕方なしに、大沢に向って窮屈そうなお辞儀をした。
大沢は「やあ」とお辞儀をかえして、あぐらをかきながら、
「次郎君だね。」
と、恭一にたずねた。
「うむ。」
次郎の神経は敏感に動いた。
(二人は、自分のことを、もう何か話しあったにちがいない。)
彼は、そう思うと、同時に大沢の襟章に注意した。それは四年の襟章だった。彼は、おやっ、という気がした。
「大沢君っていうよ。僕の親友で、同じクラスなんだ。」
恭一にそう言われて、次郎はあらためて大沢を見た。張りき
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