れを生意気だって難癖をつけたとすると、五年生も実際へまをやったもんだ。頭の程度がうかがわれるよ。」
「そこで、四年生の責任いよいよ大なり、だね。」
 みんなは愉快そうに笑った。四年生と五年生とのそりがあわないのは、毎年のことだが、今年の五年生には、とくべつ無茶な連中が多いので、四年生の反感もそれだけ大きいのだった。
「それにしても、そのちびの新入生って、痛快な奴だな。」
「うむ、しかし相当生意気な奴にはちがいないよ。」
「生意気でも、そのぐらい勇敢だと頼もしいじゃないか。入学早々、五年生全部を向こうにまわして悠々たる態度を見せるなんて、この学校としても、全く歴史的だよ。」
「歴史的とは驚いたね。はっはっはっ。」
「いったい、何というんだい、そいつの名は?」
「本田とか言ってたよ。」
 恭一は、それまで大した興味もなく、はたで聞いていたが、本田という名が出ると、ぎくっとして眼を見張った。
「そうだ、本田次郎っていうんだそうだ。」
「どこの奴かね。……おい、本田君、知らんか。君と同姓だが。」
 みんなは一せいに恭一を見た。恭一の青ざめた顔は、今度は急に赧くなった。
「まさか、君の弟じゃない
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