だろうな。」
他の一人が追っかけるようにたずねた。
「次郎だと、弟だが……」
恭一は、やっと答えて、眼をふせた。
「弟? そうか。そう言えば、今度君の弟が入学試験をうけるって、いつか言っていたようだね。」
「しかし、本田の弟にしちゃあ、すごく勇敢だね。ふだんから、そうなんか。」
恭一はまた顔を赧らめたが、
「うむ、小さい時から乱暴だったよ。しかし、この頃はそうでもなかったんだが……」
「それで、その次郎君、どうしていたんだ、昨日は?」
「べつに何ともなかったよ。」
「君に、その話、しなかったんか。」
「ううん、ちっとも。……僕も君らの話をきいて、今はじめて知ったんだよ。」
「そうか。そうだと君の弟はいよいよ変った奴だな。」
「本田の手には負えんのじゃないかね。」
「だいいち、弟の方が本田を相手にしていないのだろう。」
みんながどっと笑った。恭一はてれくさそうに苦笑して、顔をふせた。
「冗談はよそう。……どうだい、本田、君の弟ってのは、いったい、物がわかる方なのか、それとも、ただの向こう見ずか。」
そう言って、まじめにたずねたのは、大沢雄二郎という生徒だった。彼は、小学校を出て
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