活というものに、ある真面目な期待をかけて、試験場にのぞんだのである。合宿――権田原先生の注意で、今度は彼も合宿に加わることになったが、――での彼の様子も、じっくりと落ちついており、いつも考え深そうな顔をしていた。試験場から帰って来て、権田原先生を中心に、みんなが、試験問題の解答について、興奮した調子で話しあっている時でも、彼は、一人で、何かべつの本を読んでいた。それは、彼が成績に十分な自信があったからばかりではなかったのである。
 それでも、いよいよ成績の発表があり、中学校の生徒控所に張り出された合格者のなかに、自分の名を見出した時には、彼もさすがに落ちつけない気持だった。そして、家に帰ると、さっそく俊亮に教科書や学用品を買ってもらうようにねだった。俊亮も、次郎のそうした子供らしい様子を見るのはひさびさだったので、その日、忙しい仕事があったのをあとまわしにして、すぐ次郎をつれて書店に出かけた。
 ひととおり必要な教科書や学用品を買ったあと、次郎は絵はがきがほしいと言い出した。すると俊亮は、いかにも無造作に、
「買いたいものがあったら、何でも今買っとくんだ。父さんは、めったにいっしょには
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