行のよくない隣村の青年たちが、五名ほど見物にやって来て、村のある女にけしからぬいたずらをした。次郎の友達でその女の弟になるのが、怒って彼らに石をぶっつけると、彼らは、あべこべにその子を捉えてさんざんぶんなぐった。次郎たちもそばに居合わせたが、その時は手が出せなくて残念だった。そのことを、あとで村の青年たちに話し、仇をとって貰おうと思ったが、あんなならず者を相手にしてもつまらん、と言って、誰も相手にしてくれなかった。そこで、次郎が中心になり、子供たちだけで仇討の計画を定め、相手をゆうべ大川の土堤に呼び出すことにした、というのである。
「呼び出すのには、どうしたんだ。」
「僕が呼びに行きました。」
「ほう、そして、何と言った。」
「今夜、土堤でこないだの仇討をするから、五人共出て来いって。」
「そしたら、すぐ承知したのか。」
「はい。」
「向こうでは、こちらも青年だと思ったんだろう。」
「ちがいます。僕、はっきり言ったんです。僕たち子供だけでやるんだって。」
「そしたら、相手はどう言った。」
「生意気だって笑いました。」
「ふむ。……それで、お前たちの方は人数は何人だった。」
「十五人です
前へ 次へ
全305ページ中187ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
下村 湖人 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング