くらか変ったところがあったとすれば、それは徹太郎に対する彼の態度だった。徹太郎は、もう次郎にとって、ただの愉快な叔父さんではなくなっていた。その前で、べつに非常な窮屈《きゅうくつ》さを感ずるというふうでもなかったが、何か知ら、これまでのように彼を友達あつかいに出来ないものを感じるらしかった。そして、いつとはなしに、権田原先生に対すると同じような気持で、彼に対するようになって来たのだった。
「やっぱりお前は平凡な先生じゃ。」
「いや、今度は何と言われても、私の失敗でした。」
運平老と徹太郎とが、そう言って笑ったのは、それから間もなくのことだったのである。
学校での次郎の様子には、表面取り立てて言うほどの変化はなかった。どちらかというと、正木の家でと伺じように、いくぶん「大人になった」と先生たちの眼には映っていたらしい。中学校に失敗した連中のなかでも、彼の成績はずばぬけてよく、自然、級長もやらされていたが、彼はやるだけのことはきちんきちんとやってのけた。また、仲間に対する威力も相当で、彼が口をきくと、たいていのことは治まる、といったふうであった。こうしたことは、以前からもそうであったが
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