ぐ、
「僕、正直になりたいんだよ」とか、
「人に可愛がってもらったって、つまんないさ」とか、妙に力んだ調子で言って、あとは変に默りこんでしまうのだった。
彼が一番のんきな気持になれたのは、大巻を訪ねる時だった。そこでは、彼は、自分のこの頃の変な気持を示す余地をまるで与えられないかのようであった。というのは、運平老と徹太郎との、例の飄々乎《ひょうひょうこ》とした話っぷりや、高笑いが、彼の気持、というよりは、彼の存在そのものにまるで無頓着らしく思えたからである。それはちょうど、泣いている子供が、泣いていることを無視されることによって、泣きやむようなものであったのかも知れない。
もっとも、運平老にしろ、徹太郎にしろ、次郎がこのごろどんなふうだかを、お芳の口から何も聞いていないわけではなかった。お芳は元来口下手だったし、自分から進んでくわしい話をしたがるようなふうもなかったが、やはり次郎のことを苦にはしていたらしく、本田のお祖母さんの手まえ、表面だけでも俊三によけい親しんでやらなければならないということ、親しんでやっているうちに、末っ子のせいか、自分ながら不思議なほど彼に愛情を感じ出したと
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