はまた苦笑しながら、
「親類仲でそうこだわることもありますまい。それに、こちらのことを気にかけてのことらしいのですから。」
「こちらのこと? すると何かい、こちらのことで何か相談がある、と書いて来ているんだね。」
と、お祖母さんは、何か不安らしい眼をして、じろじろと手紙に眼をやった。
「そうらしく思われます。ご覧になりたけりゃ、ご覧下すってもいいんです。」
俊亮は、渋い顔をしながら、正木からの手紙をぬきとって、お祖母さんの方につき出した。
「べつに、わたしが見なけりゃならん、ということもないのだけれど……」
お祖母さんは、そう言いながら、手をひろげて、念入りに読みだした。しかし「委細《いさい》は拝眉《はいび》の上」とあるきりで、はっきりしたことは何も書いてなかった。ただ「次郎の行末とも、自然関係ある儀に付、云々《うんぬん》」という文句だけが、強くお祖母さんの眼を刺戟した。
俊亮は、お祖母さんに構わず立ち上った。
「夕方までに行けばいいのなら、お午飯《ひる》でもすましてからにしたら、どうだえ。手紙を見たからって、そういそいで行くこともあるまいじゃないかね。」
お祖母さんは、もう
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