二人ともつっ伏したままだった。
彼は、むろん眠れなかった。枕時計の音がいやに耳につく。何度も、もぞもぞとふとんのなかで動いては、大きなため息をつき、そのたびに、そっと二人の様子をのぞいたり、枕時計を見たりした。
十一時を三十分以上も過ぎたと思うころ、お祖母さんがやっと起きあがって、恭一にふとんを着せてやる気配がした。
「そんなにまるまっていないで、足をおのばしよ。」
お祖母さんの声は、もうふるえてはいない。やがて電燈のスイッチをひねる音がした。暗くなったのが、ふとんをかぶっていても、よくわかる。
が、またすぐぱっと明るくなった。そして枕元に足音が近づいたかと思うと、次郎のふとんの襟がすうっとあがった。お祖母さんが次郎の顔をのぞきこんだのである。
次郎は眼をはっきり開き、上眼づかいでお祖母さんを見た。
「そんな根性で、中学校にはいったって、何の役に立つんだね。」
お祖母さんは、毒々しく言って、ふとんの襟をばたりと次郎の顔に落した。次郎はしかし、身じろがなかった。
やがてまた電燈が消えて、お祖母さんの階下におりて行く足音がした。
「次郎ちゃん、すまなかったね。早く寝よう。」
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