やって来る癩《らい》病患者の顔を思い出した。そして、どんなに暑苦しくても繃帯を巻いている方がいいとさえ思った。
東京に行っている竜一から、ある日絵はがきが来た。それには、春子からも「お土産を待っていらっしゃい」と書きそえてあった。次郎は非常に喜んだ。しかし、すぐ自分の顔の見苦しさを思った。そして、二人が帰って来るまでに、あたりまえの顔になれるだろうかと心配した。
夏休みもあと十日ほどになったころには、薬を塗らなければならない部分は、鼻がしらと頬の一部だけになった。しかし、治った部分も、赤く、てかてか光っていて、当分は普通の色にもどりそうになかった。次郎自身には、薬を塗っている時よりも、かえって無気味にさえ思えた。
彼の火傷《やけど》が治って行くのとは反対に、お民の病気は次第に重くなって行った。喀血《かっけつ》がないので急激な変化は見せなかったが、暑気がひどくこたえたらしく、衰弱が日ましに加わって行くのが誰の眼にも見えた。
俊亮は、これまで大てい一週に一度は顔を見せていた。しかしどういうわけか、恭一や俊三をつれて来ることはめったになかった。夏休みになったら、すぐにもつれて来てゆっ
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