るんじゃないよ。」
次郎はおとなしくうなずいた。
「お祖父さんにはもうあやまって来たのかい。」
次郎ははっとした。彼は、これまでみんなが彼に同情的な言葉ばかりかけてくれていたため、自分の方から誰にもあやまって出なくてもいいような気になってしまっていた。しかしお祖母さんにそう言われてみると、やはり自分の方からあやまって出るのが本当だ。お祖父さんが口を利いてくれないのも、或いは自分があやまって出ないためではなかろうか。そう思って彼はお祖母さんの顔を覗きながら答えた。
「ううん。」
お祖母さんは、しかし、それっきり默ってしまった。そしてお民と眼を見合わせた。お民はお祖母さんからすぐ視線を転じて次郎を見たが、やはり口を利かなかった。
次郎はすぐ一切を悟った。
(みんなは自分がお祖父さんにあやまって出るのを待っているのだ。それは彼らの間に、もうすっかり話し合いが出来ているらしい。)
そう気がつくと、彼はすぐ立ち上った。むろん彼はこれまで、叱言を言われない先に自分から進んで誰にも謝罪をした経験がなかった。だから、ちょっと勝手がちがうような感じだった。しかし彼は、もう一刻もぐずぐずしている
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