いた。そこにも卵の白身が塗られた。
 それから一時間あまりもたって、竜一の父が来た。そして今度は変な匂いのする黄いろいものをべたべたと塗りつけ、眼と口だけを残して、ほとんど頭全部に繃帯をかけた。彼は繃帯をかけながら言った。
「ほんの上皮だけだから大したことはない。しかし、笑ったり泣いたりして、顔をゆがめちゃいかん。」
 そのくせ、彼自身はそう言いながら笑っていた。
 次郎は、寝ているには及ばない、と言われた。しかし起きれば母の部屋に顔を出さないわけにはいかない。それは気づまりで、彼はもう大して痛みを感じなくなってからも、じっと寝ていた。いろんな人が彼をのぞきに来たが、誰も彼も、
「案外大したことでなくてよかった。」とか「もう痛みはとれたのか。」とか、そういった同情的な言葉だけを残して行った。
 誠吉はお延にひどく叱られたらしい。彼も実は、右手の小指から手首にかけて、細長く火ぶくれがしていたが、それを誰にもかくしていた。夜になって、こっそり次郎にだけそれを打ちあけ、枕元にあった黄いろい薬を少し貰って塗りつけながら、彼は母に叱られた話をした。
「お祖父さんに叱られやしない!」
 次郎は、祖
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