きまって正木の家に行くことにした。そして一度正木の家に行くと、大てい五日や一週間は根がついて、そこから学校に通うのであった。正木では、初めのうちこそ心配もしたが、たび重なるにつれて、それを気にとめる者さえいなくなった。
「次郎のほんとのお家は、いったい何処《どこ》だね。」
飯時などに、時たま、お祖母さんがそんなことを言って笑ったりするので、みんなも次郎の来ているのに気がつき出すくらいであった。
本田では、俊亮と、お民と、お祖母さんとが、まるでべつべつの気持で、いつもそれを問題にしていた。お民は、自分の感化がちっとも次郎に及ばないのをくやしがった。そしてその罪をいつもお浜に被《かぶ》せた。
お祖母さんは、次郎の行末《ゆくすえ》などには、まるで無頓着だったが、口先だけでは、いつも、
「あの子にも困ったものだ。」
と、いかにも歎息するらしく言い、そして、最後にはきまって、
「ああ何時も何時も、あちらにばかり入浸《いりびた》っているのを、私という老人もいながら、放っとくわけにもいくまいではないか。」と言った。
俊亮は、二人が、めいめいに自分の立場だけからものを考えるのを、にがにがしく
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