「から、大師の梵學上の著述あり、意見なりを見ると、一點の誤謬はない、例を擧ぐれば、いくらもあるが、先づ十住心論の卷第七から引用します、文殊自證眞言であるが、
[#天から1字下げ]He《ヘー》 He《ヘー》 〔Kuma_raka〕《クマーラカ》 vimukti《※[#濁点付き片仮名ヰ、1−7−83]ムクテイ》−|patha《パトハ》−|sthita《ストヒタ》 smara《スマラ》 smara《スマラ》 〔pratijn~a_m〕《プラテイヂユナーム》.
 大師の解釋には、醯醯《ヘーヘー》是呼召なりとある、印度で人を呼ぶときの感投詞は、「ヘー」「ヘー」と云ふので、日本では「オーイ」「オーイ」と云ふやうなものである、是れ呼召即ち人を呼び召すときに使用するのである、倶摩羅迦、是童子、即是呼召令憶本願とあるは、「クマーラカ」「童子よ」と云ふときの形である、眦目乞底鉢他悉體多、解脱道住、請呼此童子住於解脱道者、とある、これ又宜しい、「※[#濁音付き片仮名ヰ、1−7−83]ムクテイ」とは解脱の義である、「パトハ」は、途の義で、「ストヒタ」は、「立ちたる」と云ふ形容詞で、「クマーラカ」を形容して居る語
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