事へる宗教で、其の「アフラ」は、梵語の「アスラ」(Asura)と同一語根で、梵語の方では、阿修羅即ち非天と云ふ風に凶惡の神と云ふことに、後世では、變じて居るが、「ゼンド」語の方では、善神を云ふ方に、使用せられて居る、此の方が、「アスラ」又は、「アフラ」の本來の意義である、現に梵語でも、吠陀の文學には、「アスラ」即ち阿修羅を善き神と云ふ方に用ひた例があると記憶する、殊に「アフラ、マズダ」は、至大至善の神で、全知全能の神である、又精神界の光明の神である、この神に對して、Anro《アンロ》[#nは上ドット付き]−|mainyus《マークヌス》 と云ふ惡神が戰をして居る、此の惡神は、精神界の暗黒を代表する神で、世界は以上二神の爭鬪であると見るが、「マズデイズム」の見方で、聖賢が、世に出でゝ、善神を扶けて、惡神を退ける任務を有したもので、「ゾロアスター」も、其の一人である。
此の教は、其の根本の主義から云ふと、二元論であつて、かゝる思想は、悠古の時代から、「イラン」民族の中に存在したが、これを組織して、一の體系ある宗教とした人は、即ち「ゾロアスター」であつたことゝ信ずる、昔は、波斯で中々勢力あつ
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