ならないと仰有るのですか」
「さて、どういうことになるのでしょうか。しかし、おかげさまで実に重大なことが分りましたよ。ほら、ごらんなさい。あなた方の調査によって、泥の足跡をふいたらしい物は今日に至るも発見されない、とあります。実に大変なことだ。どれもこれも、大変なことばかり、よくもこう揃って分ったものだ」
 新十郎の明るいハシャギ様はまるでフザケているように見えたほどである。それがすむと、彼は別人のように落ちついて、
「明日までに更に重大なことが分るでしょう。それもみんなあなた方の調査のおかげですよ。明日の午ごろおいで下さい。あるいは明日中に事件が解決するかも知れません」
「妹は無実でしょうか」
 その思いつめた言葉に、新十郎は黙然として、ながく返事ができなかった。
「そうです無実です」
 新十郎は呟いた。彼は重太郎の手をそッと握って、
「あなたのお仕事によって、尊敬すべき頼重太郎のお名前は以前からよく存じあげていましたよ。あなたは太陽ですよ。本当に太陽そのものだ。太陽自身が暗やむようなことは考えられませんでしょう。あなたの一生こそは日本の何百万人のための一生だ。何百万人の太陽があなた
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