味に解すべきでありましょうか」
「それは……」
 彼はちょッと口ごもったが、新十郎の問いかけをさげすむような風もなく、
「宗教家としての悟道的な意味によるちょッとした見解にすぎません」
「なるほど。私はあるいはそうではないかと拝察いたしておりました。次に、コクリサマのあとで、今日は風守さまの死ぬ日ではないと断言なさったそうですね。それはどういうことでしょうか」
「ただ、そう確信していただけです」
「なるほど。すると藤ダナの下で、風守さまは近々なくなられる、と仰有ったことと関係はございませんか」
 そのとき英信の顔がひどく陰鬱に変ってしまった。彼は力のない声で呟いた。
「それは、心の迷いです。心の迷い。心の迷い。いけなかった……」
 なんという打ちしおれた様であろうか。そしてこれをいかに解くべきであろうか。しかし新十郎はそれ以上はきかなかった。ただいたましげに、英信のしおれた様をジッと見ていただけであった。
 八ヶ岳山麓の調査を終って、新十郎はいったん東京へ戻ることになった。東京へ戻ると、まず多久家の別荘へ駈けつけたり、英信の学んだ学林へ赴いたりして、彼の筆跡を見せてもらい、八ヶ岳山麓か
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