していらっしゃるだろうか。そして、御病気はどんなだろうか。それを神様にお伺いしてみようじゃないか。ねえ、皆さん」
子供たちは顔を見合わせて緊張したが誰もが答えるものがなかった。しかし緊張の様子を見れば子供たちの好奇心は一目リョウゼンだ。いささか酔って赤くなった英信だけは緊張もしないし、つまらなそうだ。風守がどんな暮しをしているか、いつも見ている英信には全然珍しくないのは当り前の話である。彼はつまらなそうに首をふって、
「バカバカしい。風守さまが何をしているか、そんなことがコクリサマに分りゃしないさ。まア、木々彦さんのお嫁さんがどんな人だか、世間なみなことをきいてごらん」
「アレ、アレ。この坊さんは世間知らずだと思ったら、世間なみのコクリサマをよく知っているよ。だが、私のは世間なみじゃアないから、まア、見ていてごらん」
彼はテーブルのまわりへ五人それぞれ位置を示して正座させ、一々その姿勢を直してまわる。そして一同の両手の指を軽くテーブルの上へのせさせた。彼も亦同じような姿勢をとった。彼は一同に命じて息を正しくととのえさせた。
やがて彼は型の如くにコクリサマを呼びはじめた。同じ呼びか
前へ
次へ
全56ページ中30ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
坂口 安吾 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング