彦もこれにつづき、五名は座敷の一つでコクリサマをはじめる。ザル碁同士の水彦土彦の兄弟は別の座敷で碁をはじめる。
コクリサマという遊びは世間衆知の遊びだから、御存知ない読者もなかろう。坐禅をくんだり、直立不動の姿勢で合掌し、両手に力をこめていると、坐禅をくんだままや、直立不動合掌の姿勢のままピョン/\とびあがるようになるものだ。別に狐ツキでなくても、一点に力を集中することによって、人間の身体はこういう運動を当然起すもののようである。この理をカンタンに利用したのがコクリサマであろう。ジッと筆をにぎって力をこめれば自然にうごく。今では別にフシギがる者もないが、そのころは一応フシギがられたかも知れない。
木々彦はそういうことに凝りだしていたのである。コクリサマのみではなく、坐禅をくんだり直立不動合掌してピョン/\はねるという、それで心身統一をはかったり、法力を示す手段に用いたりすることは、すでに山伏などが古くから用いていた手であるが、木々彦はそのころそれを看板に売りだした一心教というのに凝った。術が長じると、今のお光様のように指先から霊波を発するという。昔から、あったものだ。
木々彦はま
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