セちに突然に完全に廃してしまいたいというのではない。いな、われわれは、あらゆる試みと注意と研究とをもって慎重にやりたいのである。もとよりわれわれの望むところは、単に死刑の廃止ばかりではなく、徹頭徹尾、閂から肉切り庖丁に至るまで、あらゆる形における刑罰の完全な改訂である。そしてそういう仕事が立派に仕上げられるためには、時間は必要な要素の一つである。なおわれわれはこの問題については、実行できると思っている一つのまとまった考えを、他のところで詳述するつもりでいる。けれども、貨幣贋造や放火や加重情状付窃盗などの件に対する部分的な死刑廃止とは引き離して、今からただちに求めたいことは、あらゆる重大な事件において裁判長が陪審員らにむかって、「被告は情熱によって行動したかまたは私欲によって行動したか[#「被告は情熱によって行動したかまたは私欲によって行動したか」に傍点]」という問いをかけることにし、「被告は情熱によって行動した[#「被告は情熱によって行動した」に傍点]」と陪審員らが答える場合には、死刑に処することのないようにしたい。そうすれば少なくとも、いまわしいある種の処刑ははぶけるだろう。ユルバッ
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