死刑囚最後の日
LE DERNIER JOUR D'UN CONDAMNE
ユゴー・ヴィクトル Hugo Victor
豊島与志雄訳
−−
【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)凍《こご》えあがり
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)弾薬|盒《ごう》
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(例)[#地から5字上げ]ビセートルにて
〔〕:アクセント分解された欧文をかこむ
(例)※原題の「LE DERNIER JOUR D'UN 〔CONDAMNE'〕」は
アクセント分解についての詳細は下記URLを参照してください
http://aozora.gr.jp/accent_separation.html
−−
一
[#地から5字上げ]ビセートルにて
死刑囚!
もう五週間のあいだ、私はその考えと一緒に住み、いつもそれと二人きりでおり、いつもその面前に凍《こご》えあがり、いつもその重みの下に背を屈めている。
昔は、というのもこのいく週かがいく年ものように思われるからであるが、昔は私も他の人々と同じように一人前の人間だった
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