ノ、一足二足とはい出し、それから思いきってその木組の下からすっかり外に出で、次にその上に跳び乗って、それを修繕し修復し研《みが》き擦《す》り動かし光らして、使われなかったために調子がくるっているその古いさびた機械にふたたび油をぬりはじめる。そして突然彼はふりむいて、監獄のなかから手当りしだいに助かるつもりでいる不運な者を一人つかまえ、その頭髪をつかんで自分のほうへひきよせ、何もかも剥ぎ取り、縄でゆわえ鎖で縛る。そしてふたたび死刑執行がはじまる。
 それは恐るべきことではあるが、しかし事実である。
 実際、不幸な囚人らへ六か月の猶予が与えられた。そのため彼らは助かるかもしれないという望みを懐くことによって、いわれなく刑を重くされたようなものである。六か月後のある朝、理由もなく、必要もなく、なぜかもわからず、面白半分[#「面白半分」に傍点]に、猶予が撤回されて、それらの男たちは規定の切断機へ冷やかにまわされた。ああ、諸君にたずねたい。それらの男たちが生きているということがわれわれ皆の者に何のわずらいとなったか。フランスには万人のために呼吸する空気が十分にないのか。
 ある日、司法省のいやし
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