渦巻の中心を探して下さい」僕は、あきらめ切れず、そう云うと将校は、
「いくら探しても無駄さ。あのとおり、八ツの眼で、下界を隈《くま》なく探したが、見つからなかったのだから、もうあきらめた方がいいぜ」
「でも、あの科学者が、行方不明になったのが、ほんとに惜しいンですもの」
「われわれだって、惜しい人物を、魔の海で失って、残念におもうよ。何しろ、人造島をつくった博士や、心臓を入替たり、生命を永久保存することを発見した大科学者だからね」
「それに、僕等の恩人です」
「まったくだ。しかし、幽霊船の犠牲になって、あの大渦巻に吸込まれ、海底深く没してしまったのだから、あきらめるより外はあるまい」
「ひょっとすると、博士たちは、火薬を爆発さして沈んだのかも知れませんよ」
「うむ、そうかも知れん……君たちも、うんと勉強して、将来御国のために、人造島ぐらい、わけなくつくる大科学者になってくれることだね。世界人類のために、生命の保存法を、君たちこそ、ほんとうに発見してくれるンだね」
「僕は、きっと、人造島を発明します」
「僕も、心臓の入替なぞ、平気でやれる大科学者になって見せるよ」といった。将校は、肯《う
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