ちゆう》。
振つた賽《さい》ころ
ころがして
目數《めかず》かぞへて
急《いそ》ぎやんせ。
泊りかさねて
おくれると
連《つ》れは追ひ越す
先へ行く。
わけて箱根と
大井川
たんと氣をつけ
通りやんせ。
さても御無事《ごぶじ》で
長道中
あがりや西京
花ざかり。
花を見ながら
御褒美《ごほうび》の
お菓子たくさん
食《た》べしやんせ。
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雲の羊
ふはりふはりと
空をゆく
雲の羊に
乘りたいな。
空の牧場を
ひとめぐり
乘つてまはれば
たのしかろ。
ちりんちりんと
鳴る鈴は
羊のくびに
ないけれど、
かはりにぼくが
口笛を
じやうずに吹いて
ひびかせる。
思ふだけでも
うれしいな
雲の羊に
乘りたいな。
[#改ページ]
口わる烏
いつも學校の
ひけどきに
口《くち》わる烏《からす》が
やつて來る。
今日もあたいが
算術で
乙をとつたら
知つてゐて、
屋根にとまつて
下《した》向《む》いて
大きな口で
ガアと啼《な》いた。
石をほうつて
やりたいが
甲でなかつた
はづかしさ。
今度はきつと
甲とらう
口わる烏が
笑ふから。
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