くるまつて
ぬくぬくお晝寢《ひるね》
春の山。

そよ風そより
吹いてるに
まだまだお肩《かた》が
まるござる。

霞の蒲團は
ふうわふわ
いつまでお晝寢
春の山。

鳶《とんび》がとろり
啼《な》いてるに
まだまだお背《せな》も
まるござる。
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   あがり目さがり目
     ――むかしの遊戲唄につけ足して
       今の子供たちにおくる――

あがり目《め》 さがり目《め》。
ぐるつとまはつて猫《ねえこ》の目。

あがり目はおこり目
あがり目をしたらば
おこりたくなあつた。

さがり目はわらひ目
さがり目をしたらば
わらひたくなあつた。

猫《ねえこ》の目は猫《ねえこ》の目。
猫の目をしたらば
ねずみが見えた。

あがり目 さがり目
ぐるつとまはつて猫の目。
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   だだつ子

だだつ子こねた
だだこねた
靴屋の店で
だだこねた。

これもいやだよ
あれもいや
顏をしかめて
だだこねた。

そんならどれが
買《か》ひたいの?
やさしくかあさん
きいたけど

だだつ子こねた
だだこねた
頭《あたま》ふりふり
だだこねた。
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