絶えそうになりました。
 天皇は非常にお嘆《なげ》きになって、どうしたらよいか、神のお告げをいただこうとおぼしめして、御身《おんみ》を潔《きよ》めて、慎《つつし》んでお寝床《ねどこ》の上にすわっておいでになりました。そうするとその夜のお夢に、三輪《みわ》の社《やしろ》の大物主神《おおものぬしのかみ》が現われていらしって、
「こんどのやく病はこのわしがはやらせたのである。これをすっかり亡《ほろ》ぼしたいと思うならば、大多根子《おおたねこ》というものにわしの社《やしろ》を祀《まつ》らせよ」とお告げになりました。天皇はすぐに四方へはやうまのお使いをお出しになって、そういう名まえの人をおさがしになりますと、一人の使いが、河内《かわち》の美努村《みぬむら》というところでその人を見つけてつれてまいりました。
 天皇はさっそくご前にお召《め》しになって、
「そちはだれの子か」とおたずねになりました。
 すると大多根子《おおたねこ》は、
「私は大物主神《おおものぬしのかみ》のお血筋《ちすじ》をひいた、建甕槌命《たけみかづちのみこと》と申します者の子でございます」とお答えいたしました。
 それというわけ
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