それとなくおさとしになりました。
三人のお子たちは、それを聞いてびっくりなさいまして、それでは、こっちから先に命《みこと》を殺してしまおうとご相談なさいました。
そのときいちばん下の神沼河耳命《かんぬかわみみのみこと》は、中のおあにいさまの神八井耳命《かんやいみみのみこと》に向かって、
「では、あなた、命《みこと》のところへ押《お》しいって、お殺しなさい」とおっしゃいました。
それで神八井耳命《かんやいみみのみこと》は刀《かたな》を持ってお出かけになりましたが、いざとなるとぶるぶるふるえ出して、どうしても手出しをなさることができませんでした。そこで弟さまの神沼河耳命《かんぬかわみみのみこと》がその刀をとってお進みになり、ひといきに命を殺しておしまいになりました。
神八井耳命《かんやいみみのみこと》はあとで弟さまに向かって、
「私はあのかたきを殺せなかったけれど、そなたはみごとに殺してしまった。だから、私は兄だけれど、人のかみに立つことはできない。どうぞそなたが天皇の位について天下を治めてくれ、私は神々をまつる役目をひき受けて、そなたに奉公をしよう」とおっしゃいました。それで、弟
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