れをやったらよいであろう」と、おたずねになりました。
思金神《おもいかねのかみ》は、
「それでは、天津国玉神《あまつくにたまのかみ》の子の、天若日子《あめのわかひこ》がよろしゅうございましょう」と、お答え申しました。
大神はその言葉《ことば》に従って、天若日子《あめのわかひこ》にりっぱな弓《ゆみ》と矢《や》をお授けになって、それを持たせて下界へおくだしになりました。
するとその若日子は大空にちゃんとほんとうのお嫁《よめ》があるのに、下へおり着くといっしょに、大国主神《おおくにぬしのかみ》の娘《むすめ》の下照比売《したてるひめ》をまたお嫁にもらったばかりか、ゆくゆくは水穂国《みずほのくに》を自分が取ってしまおうという腹《はら》で、とうとう八年たっても大神の方へはてんでご返事にも帰りませんでした。
大神と高皇産霊神《たかみむすびのかみ》とは、また神々をお集めになって、
「二度めにつかわした天若日子もまたとうとう帰ってこない。いったいどうしてこんなにいつまでも下界にいるのか、それを責《せ》めただしてこさせたいと思うが、だれをやったものであろう」とお聞きになりました。
思金神《おもい
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