も称《とな》えていました。
 こうして、いよいよ国ができあがったので、お二人は、こんどはおおぜいの神さまをお生みになりました。それといっしょに、風の神や、海の神や、山の神や、野の神、川の神、火の神をもお生みになりました。ところがおいたわしいことには、伊弉冉神《いざなみのかみ》は、そのおしまいの火の神をお生みになるときに、おからだにおやけどをなすって、そのためにとうとうおかくれになりました。
 伊弉諾神《いざなぎのかみ》は、
「ああ、わが妻の神よ、あの一人の子ゆえに、大事なおまえをなくするとは」とおっしゃって、それはそれはたいそうお嘆《なげ》きになりました。そして、お涙《なみだ》のうちに、やっと、女神のおなきがらを、出雲《いずも》の国と伯耆《ほうき》の国とのさかいにある比婆《ひば》の山にお葬《ほうむ》りになりました。
 女神は、そこから、黄泉《よみ》の国という、死んだ人の行くまっくらな国へたっておしまいになりました。 
 伊弉諾神《いざなぎのかみ》は、そのあとで、さっそく十拳《とつか》の剣《つるぎ》という長い剣を引きぬいて、女神の災《わざわい》のもとになった火の神を、一うちに斬《き》り殺
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