なって、いただいた矛《ほこ》でもって、下のとろとろしているところをかきまわして、さっとお引きあげになりますと、その矛の刃先《はさき》についた潮水《しおみず》が、ぽたぽたと下へおちて、それが固《かた》まって一つの小さな島になりました。
お二人はその島へおりていらしって、そこへ御殿《ごてん》をたててお住まいになりました。そして、まずいちばんさきに淡路島《あわじしま》をおこしらえになり、それから伊予《いよ》、讃岐《さぬき》、阿波《あわ》、土佐《とさ》とつづいた四国の島と、そのつぎには隠岐《おき》の島、それから、そのじぶん筑紫《つくし》といった今の九州と、壱岐《いき》、対島《つしま》、佐渡《さど》の三つの島をお作りになりました。そして、いちばんしまいに、とかげの形をした、いちばん大きな本州をおこしらえになって、それに大日本豊秋津島《おおやまととよあきつしま》というお名まえをおつけになりました。
これで、淡路の島からかぞえて、すっかりで八つの島ができました。ですからいちばんはじめには、日本のことを、大八島国《おおやしまぐに》と呼《よ》び、またの名を豊葦原水穂国《とよあしはらのみずほのくに》と
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