る神さまが、天の上の高天原《たかまのはら》というところへお生まれになりました。そのつぎには高皇産霊神《たかみむすびのかみ》、神産霊神《かみむすびのかみ》のお二方《ふたかた》がお生まれになりました。
 そのときには、天も地もまだしっかり固《かた》まりきらないで、両方とも、ただ油を浮《う》かしたように、とろとろになって、くらげのように、ふわりふわりと浮かんでおりました。その中へ、ちょうどあしの芽《め》がはえ出るように、二人の神さまがお生まれになりました。
 それからまたお二人、そのつぎには男神《おがみ》女神《めがみ》とお二人ずつ、八人の神さまが、つぎつぎにお生まれになった後に、伊弉諾神《いざなぎのかみ》と伊弉冉神《いざなみのかみ》とおっしゃる男神女神がお生まれになりました。
 天御中主神《あめのみなかぬしのかみ》はこのお二方の神さまをお召《め》しになって、
「あの、ふわふわしている地を固めて、日本の国を作りあげよ」
 とおっしゃって、りっぱな矛《ほこ》を一ふりお授《さず》けになりました。
 それでお二人は、さっそく、天《あめ》の浮橋《うきはし》という、雲の中に浮かんでいる橋の上へお出ましに
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