になって落ちて行きました。
 命はそれから、櫛名田媛《くしなだひめ》とお二人で、そのまま出雲《いずも》の国にお住まいになるおつもりで、御殿《ごてん》をおたてになるところを、そちこちと、探《さが》してお歩きになりました。そして、しまいに、須加《すが》というところまでおいでになると、
「ああ、ここへ来たら、心持がせいせいしてきた。これはよいところだ」とおっしゃって、そこへ御殿をおたてになりました。そして、足名椎神《あしなずちのかみ》をそのお宮の役人の頭《かしら》になさいました。
 命にはつぎつぎにお子さまお孫さまがどんどんおできになりました。その八代目のお孫さまのお子さまに、大国主神《おおくにぬしのかみ》、またの名を大穴牟遅神《おおなむちのかみ》とおっしゃるりっぱな神さまがお生まれになりました。
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 むかでの室《むろ》、へびの室《むろ》

       一

 この大国主神《おおくにぬしのかみ》には、八十神《やそがみ》といって、何十人というほどの、おおぜいのごきょうだいがおありになりました。
 その八十神《やそがみ》たちは、因幡《いなば》の国に、八上媛《やがみひめ》という美し
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